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既存の有限会社について
今度の会社法改正により有限会社は株式会社に統合されています。つまり現在の会社法では有限会社という概念自体がありません。しかしながら激変緩和措置として「会社法の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律」というものが定められています。ここでは従来の有限会社は「特例有限会社」という株式会社となりました。つまり今までの有限会社という名称を使うこともできるし、商号変更して株式会社と名乗ることもできるようになっています。但し、商号変更して株式会社を名乗ると、特例有限会社には戻れません。
特例有限会社であることのメリット・デメリット
【メリット】
役員の任期が無期限(整備法18条)
新会社法では原則、取締役の任期は2年以内、非公開会社の場合でも最長10年ですが特例有限会社は従来の有限会社と同様に役員の任期は無期限なので登記や任期を管理する手間や費用がかかりません。
決算公告が不要
特例有限会社は株式会社であるにも関わらず、従来の有限会社と同様に決算書類の公告義務が課されていません。決算公告は官報・日刊紙・電子公告などの方法がありますがコストがかります。その費用や手間を考えると大きなメリットと言えます。
商号変更に伴うコストがかからない
「有限会社」から「株式会社」に変更する場合、代表者印鑑を始め、全ての社名が入っている書類や取引先への連絡、変更手続き、各行政官庁への届出、許認可事業などの届出等、膨大な事務処理とコストが発生しますが、「有限会社」のままなら何も変更事項が発生しないので、その手間とコストがかからないことが大きなメリットです。
希少性により信用価値
現在では新たに有限会社を設立することはできません。つまり「有限会社」の商号を利用し続けることは、一面では希少性を対外的に証明できることであり、歴史のある会社ということを示せるメリットもあります。
【デメリット】
株式会社に比較される
有限会社のイメージは「小規模」「少ない人数」などのイメージがあり、たとえ株式会社で同じような規模でも、株式会社と比較されるとマイナス面でのイメージがあることも予想されます。
株式譲渡制限の定めを変更できない
特例有限会社の定款には発行する全部の株式が譲渡される際には株主総会の承認を要し、株主が当該株式を譲渡により取得する場合には、株主総会の承認があるものと看做されています(整備法9条1項)。またこの点は定款で変更することは許されません(整備法9条2項)。つまり特例有限会社は株式が譲渡制限されていても株主間であれば自由に譲渡を認めなければいけないので、会社に敵対する行動をとる株主に株式が渡るというリスクが存在します。
機関設計が柔軟にできない
特例有限会社は「取締役会」「会計参与」「会計監査人」を設置することができません。その為、この先企業模を大きくして企業統治を充実させていきたい意向のある企業の場合には不向きかもしれません。
